福岡市民病院

腎センターの取り組み

平成29年度から常勤4名(血管外科医2名、腎臓内科医2名)となった腎センターです。
透析患者さんのシャントトラブルに対する修復手術・カテーテル治療の依頼は県内のあらゆる施設から年間400例を超える紹介を頂いています。土曜日も含めてシャントトラブルには即日対応できる体制を整え、先生方のご要望にお応えしていきたいと考えています。
腎臓内科が平成24年度に開設されたことにより、透析が必要になる前段階の、保存期慢性腎不全の外来診療も行ないます。また、以前から透析患者の合併症の治療を受け入れておりましたが、平成29年度より2名体制となり、さらに積極的に腎臓内科が介入し治療をサポートいたします。

血管外科

血管外科では、腹部大動脈瘤、急性および慢性動脈閉塞症、下肢静脈瘤、透析用バスキュラーアクセス手術 の診療を行っています。

腹部大動脈瘤

腹部大動脈瘤は無症状であっても破裂すれば致命的となる疾患で、破裂の危険性は、瘤径、瘤の形状、瘤の成因、性別などによって異なります。破裂する危険が高い動脈瘤は外科治療の適応となります。外科治療には、カテーテル治療(ステントグラフト留置術)と開腹手術の二つの方法があり、ご高齢の方や体力がない患者さんに対しては体に負担の少ないカテーテル治療を行っています。

腹部大動脈瘤に対する
ステントグラフ留置術

症例a)治療前イメージ
左:治療前、右:治療後

症例b)治療前イメージ
左:治療前、右:治療後

治療ステントグラフト留置術の小切開創

治療ステントグラフト留置術の小切開創イメージ
下腹部4cmの傷で治療可能です

腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術

腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術イメージ
左:治療前、右:治療後

急性および慢性動脈閉塞症

四肢、特に下肢の血行障害です。歩行するとふくらはぎがこわる・だるくなると言った症状に始まり、重症化すると下肢の疼痛・壊疽に至り下肢切断を余儀なくされます。

治療法はカテーテル治療(バルーン血管拡張術・ステント留置術)とバイパス手術があり、病変の部位や患者さんの状態に応じて治療法を選択しています。カテーテル治療の場合には1泊入院で治療が可能なため、早期の社会復帰・職場復帰が可能です。壊疽を伴う重症虚血症例に対しても、できるだけ肢切断を回避して肢を温存する方針で、足関節周囲の直径約1mmの動脈へも積極的にバイパス術を行なっています。難治性潰瘍や糖尿病性壊疽などの開放創の処置には、最新の創傷治癒ツールである各種の閉鎖持続陰圧療法を採用しています。

腸骨動脈閉塞に対するステント留置術

腸骨動脈閉塞に対するステント留置術イメージ

浅大腿動脈閉塞に対する血管拡張術

浅大腿動脈閉塞に対する血管拡張術イメージ

慢性動脈閉塞症に対する自家静脈による足背動脈バイパス術

慢性動脈閉塞症に対する自家静脈による足背動脈バイパス術イメージ

血行再建術による治療効果

血行再建術による治療効果イメージ
左:治療前、右:治療後

VACシステムによる創傷管理

VACシステムによる創傷管理イメージ

下肢静脈瘤

低侵襲なカテーテル治療から従来のストリッピング手術まで全ての治療法が可能となっています。 正しい知識を持てば恐れる必要のない疾患ですので、不安を感じている方は気軽にご相談下さい。

透析用バスキュラーアクセス手術

新規シャント造設(自家血管・人工血管)からシャント閉塞、シャント感染に対する修復術、カテーテル治療など、年間約900例近い手術を行い、迅速かつ適切な対応を心がけています。当院では、エコーガイド下腕神経叢ブロック麻酔を活用した無痛手術を行っています。 また、静脈高血圧症(中心静脈閉塞症)に対する血管内治療は福岡県内でも有数の実績があり、県外からの患者さんの紹介も少なくありません。

人工血管内シャント感染

人工血管内シャント感染イメージ

シャント瘤

シャント瘤イメージ

人工血管内シャント作製術

人工血管内シャント作製術イメージ

中心静脈閉塞症の治療例

左上肢の著明な浮腫
左上肢の著明な浮腫イメージ

左腕頭静脈閉塞症
左腕頭静脈閉塞症イメージ

ベアメタルステント径10mm留置
ベアメタルステント径10mm留置イメージ

腕頭静脈再開通後
腕頭静脈再開通後イメージ

左上肢の著明な改善
左上肢の著明な改善イメージ

 

平成17年(江口赴任時)からの血管外科症例数の推移

平成17年からの血管外科症例数の推移グラフ

診療内容についてのお問い合せ先

福岡市民病院 血管外科 TEL:092-632-1111(代表)

腎臓内科

当院の腎臓内科は平成24年に開設されました。現在腎臓内科専門医2名により診療を行っています。当科では尿蛋白や血尿など検尿異常のある患者さんへの検査・治療から、慢性腎臓病および急性腎障害の患者さんの治療、進行した腎不全の患者さんに対する血液透析療法・腹膜透析療法など、腎疾患患者さんに対する幅広い診療を行っていきます。

外来・入院部門

検診などで蛋白尿や血尿を指摘され受診された患者さんに対しては、当院にて再度腎疾患評価を行います。必要に応じて入院の上腎生検による組織診断を行い、組織診断の結果に基づき治療方針を決定します。腎炎と診断され、腎炎進行阻止のために免疫抑制療法(ステロイドなど)が必要と判断した患者さんには、必要性と副作用につき十分な説明をおこなった上免疫抑制療法を行います。免疫抑制療法が開始となった患者さんは退院後も当院へ通院していただきます。検尿異常があっても腎炎と診断されなかった患者さん、免疫抑制療法が現段階では不要と判断された患者さんはかかりつけの先生に経過観察していただくこともあります。

徐々に腎機能が低下する慢性腎臓病のためご紹介いただいた患者さんに対しては、外来もしくは入院にて現在の状態を把握し、慢性腎臓病の原疾患の検索、現在の病態評価、腎機能を低下させている増悪因子の検索を行います。増悪因子(腎毒性のある薬物や高齢者に対する過剰な降圧など)が存在する場合には増悪因子を取り除きます。その後医師、看護師、栄養士から状態に応じた薬物療法、食事療法、生活指導などを行い、慢性腎臓病の進展阻止を試みます。同時に慢性腎臓病患者さんで発症頻度の高い心血管病のスクリーニングを行います。心血管病の兆候がみられた患者さんは循環器科など当該科に紹介させていただきます。高血圧・糖尿病が原因の慢性腎臓病の患者さんの場合、基本的にはかかりつけの先生に腎機能も経過観察していただき、当院へは3-12ヶ月ごとに通院していただきます。

透析部門

慢性腎臓病が進行し、尿毒症の症状が出現するようになると、生命維持のために腎代替療法(透析療法・腎移植)が必要になります。当院では、最初から血液透析治療を行う方法と先に腹膜透析を行った後に血液透析に移行する方法2つのどちらかを選んでいただいています。腹膜透析で透析を開始した場合、腹膜透析開始後もそれまでと同じように尿が出続けます(血液透析から透析を開始するとほとんどの患者さんでは早期に尿が出なくなります)。腹膜透析は血液透析よりも体にやさしく、食事制限も軽度でいいという利点があります。腹膜透析の患者さんは原則として毎月1回通院していただいています。現在当院では9人の患者さんに外来腹膜透析を行っています。

血液透析療法は、週3回の外来通院が必要です。当院ではベッド数の都合もあり維持血液透析は基本的に行っていません。慢性腎臓病が進行し透析療法が必要になった患者さんは、当院にて血液透析を開始した後、患者さんご自宅近くの維持血液透析施設をご紹介しています。昨年度は26人の患者さんに対し透析療法を開始しました(図1)。腎移植を希望される患者さんには九州大学病院・福岡赤十字病院の腎移植外科をご紹介いたします。

当院にて血液透析を開始された透析患者さん、当院以外の施設で血液透析を開始された透析患者さんが当院で入院加療が必要になった際には、入院中当科にて血液透析療法を行います。血液透析ベッドは13床あり、予定入院だけでなく透析患者さんの救急搬送もお断りすることなく対応しています。
当院では年間3000件以上の血液透析を行っており(図2)、多くの透析施設からたくさんの透析患者さんをご紹介いただいています。

図1)年度別透析導入患者数

年度別透析導入患者数グラフ

図2)年度別血液透析施工数

年度別血液透析施工数グラフ

  • 地方独立行政法人 福岡市立病院機構 福岡市立こども病院
  • FCHO 地方独立行政法人 福岡市立病院機構 Fukuoka City Hospital Organization
  • MAGAZINE 広報誌 季刊誌FCH
  • (財)日本医療機能評価機構病院機能評価認定病院