不整脈には脈が遅くなる不整脈(徐脈性不整脈)、脈が速くなる不整脈(頻脈性不整脈)、タイミングが乱れる不整脈(期外収縮)の大きく3つに分類されます
徐脈性不整脈とその治療
正常な心拍数は1分間に60~100回ですが、1分間の心拍数が60回未満になった状態を徐脈性不整脈(じょみゃくせいふせいみゃく)と言います。心拍数が少ない場合でも、症状を伴わず治療の対象とならないことがあります。徐脈性不整脈の中には永久ペースメーカーの植え込みが必要となる場合があり、徐脈性不整脈の種類(洞不全症候群、房室ブロック)や不整脈に伴う症状(めまいや眼前暗黒感(目の前が暗くなる感じ)、失神、息切れなど)などを総合して判断します。不整脈の発作は短時間で治まるものもあり、診断が困難な症例も多くあります。当院ではホルター心電図やイベントレコーダー、ループレコーダーなど長時間の不整脈記録デバイスを使用し、正確な診断ができるよう取り組んでおります。令和4年度より、小型で長時間の不整脈記録ができる新規のホルター心電図(Heartnote®)検査を導入しました(図1)。令和4年度の1年間で67件の検査を施行しました。 長時間ホルター心電図の導入によりこれまで見つからなかった不整脈の診断につながるケースも増えています。 永久ペースメーカー手術の年度ごとの件数をグラフに示しています。ペースメーカーには胸部の皮下に本体(ジェネレーター)を植え込み、静脈を通してリードを心臓内に留置する従来型のペースメーカー(図2)と、本体そのものを心臓内に留置し、リードが不要なリードレスペースメーカー(図3)があります。当院でも令和5年度よりリードレスペースメーカーの使用が可能となりました。