リハビリテーション部
リハビリテ-ション部
リハビリテーション部長 小山田耕太郎
概要
当院のリハビリテーションは入院中の患者さんが対象となります。各診療科からの依頼で、主として整形外科・脳神経外科・外科の術後早期や、脳血管障害早期、循環器障害などです。ほぼ急性期疾患手術後あるいは治療開始後早期の比較的短い期間の疾患別リハビリテーション実施となります。
スタッフ
- 理学療法士 7名
- 作業療法士 4名
- 言語聴覚士 1名
- 技術補助員 2名
で対応しています。
資格取得
- 3学会合同呼吸療法認定士 8名
- 心臓リハビリテーション指導士 1名
- 摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 1名
- 介護支援専門員 1名
- がんのリハビリテーション研修会修了 11名
実績
令和2年度の業務実績
疾患別リハビリテーションの実績(新患者数、単位数)は以下の通りです。
運動器疾患(施設基準Ⅰ)のリハビリテーション
依頼数が最も多いのが運動器疾患です。運動器は骨・関節・筋肉・神経など身体動かしたりする組織・器官のため整形外科からの処方が最多です。
脊椎手術、骨折関連術後、人工関節置換術など(520人、16,241単位)でした。
脳血管疾患等(施設基準Ⅰ)のリハビリテーション
脳血管の障害は多岐にわたることが多く介入職種が多いのが特徴です。脳卒中は脳内の血管や血液の障害により発症する病気の総称で麻痺、言語、高次脳などの機能障害が出現することがあります。急性発症した脳血管疾患や手術後の患者さんが多く早期よりの介入となります。
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など(464人、20,240単位)でした。
がん患者のリハビリテーション
がんやがんの治療により生じた疼痛、筋力低下、障害などに対して二次的な障害を予防し運動量の低下や生活機能の低下予防・改善を目的とします。ほぼ周術期の方です。
食道癌、胃がん、大腸がん、肝細胞がんなど(118人、1,394単位)でした。
廃用症候群(施設基準Ⅰ)のリハビリテーション
急性疾患に伴う安静や外科術後又は肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有します。 そこで基本的動作能力の回復等を通して、実用的な日常生活における諸活動の自立を図るためにリハビリテーションを実施します。
(67人、1761単位)。
心大血管疾患(施設基準Ⅰ)のリハビリテーション
心機能の回復、疾患の再発予防などを図るために心肺機能評価による適切な運動処方に基づき運動療法を行っています。標準的な実施時間は1日1時間程度です。
慢性心不全、狭心症、急性心筋梗塞など(82人、1,616単位)でした。
診療科別リハビリテーション新患数
整形外科490人、脳神経内科259人、脳神経外科193人、外科140人、循環器内科92人、救急科20人、感染症内科14人、内科27人、血管外科13人、腎臓内科3人でした。
【病病連携について】
今年度は感染予防を考慮し未実施でした。
【教育実習施設としての役割】
平成10年より臨床実習施設として県内・県外からの実習生の受け入れを行っています。令和2年度は熊本保健科学大学と帝京大学(福岡医療技術学部)の理学療法学科、作業療法学科の学生5名が臨床実習を行いました。
【院内活動、連携について】
今年度は接触を避けて映像を作成し行いました。
各診療科との連携は整形外科、脳卒中センター(脳神経内科、脳神経外科)、外科、循環器内科と毎週カンファレンス(脳卒中センターは隔日)と合同回診を行っています。
毎日、専任スタッフが救急医師とICU看護師との情報共有・連携・協働を図り早期リハビリテーションを実施しています。スタッフ間でも患者さんの転帰が改善している実感があるようです。開設11年目となるSCUとともにチーム医療を実践し急性期リハビリテーション職として今後も務めてまいります。
また平成30年度より集中治療室(ICU)での早期離床・リハビリテーションを実施しています。集中治療中の不動による合併症や活動性低下を予防し、機能の維持と回復を目的とした活動です。
チーム医療として摂食嚥下ケアサポートチーム、栄養サポートチーム(NST)、呼吸ケアサポートチーム(RST)での活動でチームの一員として活動しています。
急性期リハビリテーションの目的は廃用症候群や合併症が併発しないように早期から予防することです。多職種のチーム治療でリハビリテーションを円滑に行っております。