放射線部
放射線部
活動内容
- ・放射線診療に従事する者に対する診療放射線の安全利用のための研修実施(必須)
- ※医師、診療放射線技師、放射線診療に係わる看護師、検査技師、事務員等
- ・厚生労働大臣の定める放射線診療に用いる医療機器を用いた放射線診療を受ける者の当該放射線による被ばく線量の管理及び記録その他の診療放射線の安全利用を目的とした改善のための方策の実施。
- ※当院では、CT撮影装置1台、血管造影装置2台が対象となります。
- ・放射線の過剰被ばくその他の放射線診療に関する事例発生時の対応
- ※医療放射線管理委員会を開き、原因究明、今後の対応などを協議します。
安心できる放射線診療のために診療放射線技師へ求められる責務として、医療被ばくの更なる低減を推進していきたいと思います。
新たな業務
- 放射線業務従事者の水晶体被ばく管理強化
電離放射線障害防止規則改正により、目の水晶体の線量限度が引き下げになったことで、放射線業務従事者の被ばく管理体制の見直しを行いました。線量高値の職員には水晶体専用線量計を追加で着用してもらい、年間20m㏜以内を目標値として管理しています。
- 高線量被ばく事例発生時の患者対応の見直し
局所被ばく線量が放射線皮膚障害のしきい線量3㏉を超えたと考えられる場合の報告、患者様への説明および皮膚観察が経時的に行われるように管理体制を構築しました。
- 腹部MRI検査の予約待ち日数の短縮
高速撮像技術Compressed SENSEを導入することで1検査あたりの所要時間を短縮でき、要望が多かった腹部MRI用の予約枠を週3枠増やしました。
- 冠動脈疾患診断支援システム「FFR-CT解析」の導入
FFR-CT解析に適した画質を担保するため、従来の冠動脈CT検査の造影剤注入方法・撮影方法を変更し対応しています。 FFR-CTの解析施設へ冠動脈CTデータを送信する際には、福岡市個人情報保護制度に基づきデータに含まれている個人情報を削除しています。
- FFR-Angioシステムの導入
冠動脈造影検査で撮影される冠動脈造影画像を解析してFFR値を算出します。FFR値は冠動脈疾患治療方針の判断材料となるため冠動脈の描出レベルを統一し担当者間で解析結果に差が出ないようにしています。
- 各種資格取得
医療画像情報精度管理士 1名。
福岡市民病院のCT装置の紹介
令和4年5月より当院CT装置がGE社製Revolution Apexに更新されました。新装置は様々な要素で患者様に優しい検査を実施することが可能です。
1.世界最高レベルの機能を搭載
2.高心拍・不整脈でも安定して鮮鋭な冠動脈CT
3.腎機能低下例での造影CT検査適応拡大
最大出力1300mAのX線管球とAIのディープラーニング技術により、少ない放射線量で高コントラストの撮影が可能で、造影剤を従来の1/2程度に減量しても従来と同等以上の高精度高画質の画像が得られます。
福岡市民病院のMRI装置の紹介
当院では頭頚部、脊椎、肝臓・膵臓・胆のう、その他心臓や四肢など、様々な診療科の様々な部位を検査しています。
MRIの検査はCT検査等の放射線検査と異なり、放射線被ばくがありません。しかし、検査において長い検査時間と検査中の大きな撮像音は、患者様への負担となっています。
2023年12月にRelease5.4からRelease5.7へソフトウェアのバージョンアップを行うことで、従来よりも撮像時間の短縮、もしくは画像の高分解能化(高画質化)が可能となりました。またどちらか一方ではなく、撮像時間を少し短くしつつ、画質を上げることも可能です。
検査音を低減する技術(Comfortone)も導入され、従来よりも静音化できるようになりましたが、検査音を低減すると画質の低下や撮像時間の延長をきたすこともあるので患者様に合わせて使用しています。
MRI検査は、室内に金属類を持ち込んでしまうととても危険です。当院では、院内共通のチェックリストを作成し、外来や病棟などの他部署とも協力して、安全に検査ができるように徹底して検査前の金属チェック等を行っています。
また、緊急性の高い症例は、当日の申し込みでも可能な限り時間を調整して、検査ができるよう努めています。
最近ではペースメーカーを埋め込まれた患者様も増えています。3TMRI対応ペースメーカーの患者様は、循環器内科医師・臨床工学技士等の協力のもと、検査前後にペースメーカーのモード変更を行います。検査中も撮像条件をペースメーカーの機種に応じたものへ変更しながら安全に検査を実施しています。
海外の患者様も多くなり、息止めの合図には他言語で対応できる機能(Auto Voice)を活用しております。約30か国の言語に対応しています。
当院は多くのご施設からの検査依頼をいただいております。
引き続き地域医療支援病院として、地域に貢献できますよう努めてまいります。