福岡市民病院

放射線部

放射線部

放射線部には15名の診療放射線技師が在籍しており、一般撮影・透視検査・CT・MRI・血管撮影等の画像検査及びIVRの業務をチーム医療の中で互いに協力し合いながら実践しています。令和4年度に更新した256列/512スライスCT装置を始めとして3テスラMRI装置、一般/透視検査装置(FPDパネル装備)等を駆使して放射線を取扱う医療人として、患者さまに安心・安全な検査が提供できるよう心掛けています。また、救急医療を担う病院として24時間365日すべてのモダリティで緊急依頼に対応しています。

活動内容

  • ・放射線診療に従事する者に対する診療放射線の安全利用のための研修実施(必須)
    • ※医師、診療放射線技師、放射線診療に係わる看護師、検査技師、事務員等
  • ・厚生労働大臣の定める放射線診療に用いる医療機器を用いた放射線診療を受ける者の当該放射線による被ばく線量の管理及び記録その他の診療放射線の安全利用を目的とした改善のための方策の実施。
    • ※当院では、CT撮影装置1台、血管造影装置2台が対象となります。
    患者様の被ばく管理のためのソフトを購入しました。
  • ・放射線の過剰被ばくその他の放射線診療に関する事例発生時の対応
    • ※医療放射線管理委員会を開き、原因究明、今後の対応などを協議します。

安心できる放射線診療のために診療放射線技師へ求められる責務として、医療被ばくの更なる低減を推進していきたいと思います。

新たな業務

診療放射線技師法改正(令和3年度厚生労働省告示第273号研修)に伴い、造影剤使用検査のための静脈路確保・投与後抜針・止血などが業務範囲となりました。院内のタスクシフト/シェア推進の取り組みとして、令和4年度より看護部と協同してCT造影剤用ルートの抜針・止血を実施しています。

福岡市民病院のCT装置の紹介

令和4年5月より当院CT装置がGE社製Revolution Apexに更新されました。新装置は様々な要素で患者様に優しい検査を実施することが可能です。

 

1.世界最高レベルの機能を搭載

160mmのワイド検出器、最大出力1300mAかつ1回転0.28秒のX線管球、最速437mm/秒のテーブル移動により、最短で頭部1.0秒、心臓0.28秒、胸腹部2.0秒での高画質撮影が可能です。

2.高心拍・不整脈でも安定して鮮鋭な冠動脈CT

冠動脈CTは心電図同期で撮影しますが、画像の鮮鋭度は撮影時の心拍数や不整脈に大きく左右されます。新装置は心臓を1心拍・1回転、最短0.28秒で撮影でき、不整脈感知により不整脈の影響を受けない心位相での撮影が可能です。さらに撮影後、最適心位相を自動選択し、GE社独自の冠動脈静止解析アルゴリズムによる画像再構成により、撮影時間0.058秒相当の画像を得ることができます。

3.腎機能低下例での造影CT検査適応拡大

最大出力1300mAのX線管球とAIのディープラーニング技術により、少ない放射線量で高コントラストの撮影が可能で、造影剤を従来の1/2程度に減量しても従来と同等以上の高精度高画質の画像が得られます。

図 1 冠動脈CTA

新装置 造影剤20mL使用

図 2 腹部大動脈CTA

左:旧装置 造影剤100mL使用 右:新装置 造影剤60mL使用

福岡市民病院のMRI装置の紹介

当院では頭頚部、脊椎、肝臓・膵臓・胆のう、その他心臓や四肢など、様々な診療科の様々な部位を検査しています。
MRIの検査はCT検査等の放射線検査と異なり、放射線被ばくがありません。しかし、検査において長い検査時間と検査中の大きな撮像音は、患者様への負担となっています。
2023年12月にRelease5.4からRelease5.7へソフトウェアのバージョンアップを行うことで、従来よりも撮像時間の短縮、もしくは画像の高分解能化(高画質化)が可能となりました。またどちらか一方ではなく、撮像時間を少し短くしつつ、画質を上げることも可能です。
検査音を低減する技術(Comfortone)も導入され、従来よりも静音化できるようになりましたが、検査音を低減すると画質の低下や撮像時間の延長をきたすこともあるので患者様に合わせて使用しています。

撮像時間の短縮の例

画像の高分解能化の例

MRI検査は、室内に金属類を持ち込んでしまうととても危険です。当院では、院内共通のチェックリストを作成し、外来や病棟などの他部署とも協力して、安全に検査ができるように徹底して検査前の金属チェック等を行っています。
また、緊急性の高い症例は、当日の申し込みでも可能な限り時間を調整して、検査ができるよう努めています。
最近ではペースメーカーを埋め込まれた患者様も増えています。3TMRI対応ペースメーカーの患者様は、循環器内科医師・臨床工学技士等の協力のもと、検査前後にペースメーカーのモード変更を行います。検査中も撮像条件をペースメーカーの機種に応じたものへ変更しながら安全に検査を実施しています。
海外の患者様も多くなり、息止めの合図には他言語で対応できる機能(Auto Voice)を活用しております。約30か国の言語に対応しています。
当院は多くのご施設からの検査依頼をいただき、令和5年度は148件の検査を施行しました。
引き続き地域医療支援病院として、地域に貢献できますよう努めてまいります。

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