令和5年度 福岡市民病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
  8. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症発症の予防対策の実施率
  9. 血液培養2セット実施率
  10. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1 31 87 114 228 472 705 1378 1035 296
【年齢階級別退院患者数の解説】
令和5年度に退院した患者さんの数を年齢階級ごとに示しています。
70歳から80歳までの年齢階級の患者さんが最も多く、70歳以上の患者さんが全体の約62.3%を占めております。
これは、当院が脳卒中、悪性腫瘍、脊椎疾患、循環器疾患等、比較的ご高齢の患者さんに多い疾患を中心に入院診療を行っていることを表すと同時に、ご高齢に多い疾患の入院診療が増えていることも示しています。
さらに、当院がこれからの高齢化社会を見据えた高齢者に対する急性期医療に適切に対応していることを表す一方、今後、介護サービスの導入や訪問看護、在宅医療の必要性がさらに高まるため、地域の医療機関との密接な連携がより重要になる事を示しています。
若年層の患者さんが少ない理由は、小児科などの診療科がないためと考えられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 28 5.21 4.55 3.57% 73.18
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 18 14.83 15.12 11.11% 69.17
060020xx02xxxx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 10 20.2 18.01 30.00% 74.9
060020xx01xxxx 胃の悪性腫瘍 胃全摘術 悪性腫瘍手術等 - - 22.21 - -
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 - - 5.29 - -
【データの説明】
DPC疾患別分類によると、最も入院が多かったのは大腸癌で45件、次に多かったのが胃癌で、35件ありました。(上の表は病名だけでなく治療内容等で更に細分化されたDPCコードで分類されていますので、上記のうち一部が表示されています。)
手術を受ける患者さんの高齢者の割合が高く、複数の他の病気を治療中の患者さんが多いことから、循環器内科や糖尿病内科、腎臓内科、感染症内科の協力を得ながら治療方針を決定しています。患者さんの年齢以外にも、全身状態やご家族のサポート体制など、あらゆる面を考慮したうえで、癌の根治を目指した手術を行っています。
肝臓外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 40 6.93 6.87 2.50% 61.05
060050xx02xxxx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝切除術 部分切除等 35 11.46 14.28 0.00% 70.23
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 20 6.85 5.98 0.00% 65.9
060340xx02100x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 10 12.8 16.15 0.00% 67.8
06007xxx9905xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2 - 5あり - - 7.32 - -
【データの説明】
令和5年度に入院された患者さんをDPC疾患別に分類すると、多い順に肝・肝内胆管の悪性腫瘍72件、胆嚢炎等48件、胆嚢疾患20件、という結果でした。(病名や治療内容で細かく分類される表のDPCコードには、これらのうち一部が表示されています。)
当院は平成元年の病院開設以来これまでに1,000例以上肝切除手術を実施しており、平成23年に設置した肝胆膵センターでは肝臓・胆道・膵臓に関する疾患に対して、専門性を持った肝臓外科・肝臓内科・放射線科が互いに連携し、診断・治療にあたります。個々の患者さんに最適で過不足のない治療、安全・確実な医療を提供するように努めています。
血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 58 7 7.57 12.07% 69.36
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 29 4.21 5.21 3.45% 71.59
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2なし 29 3.41 4.51 6.90% 72.48
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2なし 14 6.64 10.42 0.00% 74.57
050170xx03001x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病あり 14 2.57 9 14.29% 76.86
【データの説明】
令和5年度は422人の患者さんが入院されました。このうち約半数は透析用シャント(血液透析を受ける患者さんの腕の動脈と静脈とを直接つなぎ、大量の血液が通るようにした血管のこと)作成術または修復術が必要なため入院となった患者さんでした。当科では透析用シャントの作成、修復や再開通手術を年間900例近く行っています。
バイパス術などの手術が必要な下肢閉塞性動脈硬化症の患者さんの入院が次に多く、3割弱を占めました。下肢の血行障害をきたし重症例では下肢の切断を余儀なくされる病気ですが、1泊2日の入院でカテーテル治療を行う場合もあります。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 89 20.13 25.5 93.26% 79.78
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2なし 56 23.3 19.94 35.71% 71.27
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2なし 50 19.68 15.66 12.00% 74.66
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 37 14.57 19.34 91.89% 81.97
070350xx02xxxx 椎間板変性、ヘルニア 椎間板摘出術 後方摘出術 31 16.1 14.08 9.68% 53.74
【データの説明】
近年、ロコモティブシンドロームに対する啓発活動が盛んに行われています。その代表的な原因疾患が腰部脊柱管狭窄症、下肢の変形性関節症、骨粗鬆症です。当科では、これら全ての運動器疾患の診療を専門的に行い、バランスのとれた整形外科医療を展開しています。
DPC疾患別では、令和5年度は脊椎管狭窄症が164名と最も多く、次いで股関節・大腿近位の骨折が92名、椎間板変性、ヘルニアが75名、となっています。(表は疾患だけでなく治療内容等で更に細分化されたDPCコードで分類、集計された結果が表示されています。)
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 36 6.47 8.38 22.22% 70.42
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 31 9.45 9.88 16.13% 77.26
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 25 14.12 19.09 52.00% 59.6
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 15 2.6 2.95 0.00% 68.13
010040x101x1xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 脳血管内手術+脳動静脈奇形摘出術等 手術・処置等2あり 11 33.45 39.64 100.00% 61.82
【データの説明】
当院の脳神経・脳卒中センターは全国的にも数少ない脳卒中集中治療室(SCU)を備え、脳血管障害や頭部外傷などの救急疾患に24時間365日対応しています。脳神経外科医、脳神経内科医、脳血管内治療の専門医が中心となり、様々な部署の医療スタッフによるチーム医療を実践しています。
DPC疾患別では、令和5年度は頭蓋・頭蓋内損傷で入院された患者さんが92名と最も多く、次いで非外傷性頭蓋内血腫80名、脳動脈瘤27名、の順に多くなっています。(表は治療内容等で更に細かく分類されたDPCコードで集計されています。)
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 34 18.35 20.6 38.24% 81.12
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 14 4.07 4.73 7.14% 59.71
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 13 2.46 3.62 7.69% 49.85
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 11 16.64 13.52 0.27% 84.36
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし - - 19.34 - -
【データの説明】
救急科では、主に二次救急患者の対応を担っておりますが、重度の意識障害、ショックバイタル、重症低酸素血症や心肺停止などの三次救急患者の受け入れにも柔軟に対応しております。DPCデータでは、誤嚥性肺炎34件、次いで耳鼻咽喉科系14例(表の前庭機能障害はここに含まれます)の順に多くなっています。(表は疾患だけでなく治療内容等で更に細分化されたDPCコードで集計されています。)
前庭機能障害はめまい、ふらつき、嘔気を主訴に来院され、頭蓋内病変/脳血管障害や電解質異常、脱水症などの疾患が否定された方々が相当します。当院は頭蓋内病変/脳血管障害を数多く受け入れ、脳神経内科・脳神経外科が対応しています。それらが否定された場合、最終的に耳鼻咽喉科を紹介することが多いのですが、動けず入院が必要な場合、自力歩行が可能になるまで当科でしています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 108 2.29 2.61 0.00% 68.87
060035xx04xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 46 6.76 6.45 0.00% 71.17
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 41 8.12 7.61 4.88% 74.22
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2なし 26 11.23 10.92 26.92% 78.27
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 24 9.54 7.58 4.17% 64.08
【データの説明】
消化器内科は、消化管腫瘍、消化管出血、炎症性腸疾患などの消化管疾患を中心に診療を行っております。また内視鏡治療では腫瘍性病変に対する内視鏡的切除術(EMR・ESD)、消化管出血に対する内視鏡的止血術を中心に行っています。
令和5年度も、DPCデータでは大腸ポリープや大腸癌に対する内視鏡的切除術(EMR、ESD)を実施した入院症例が173例と最も多く、当科の入院患者さんの3割程度を占めました。
胃癌で入院された患者さんも71例ありました。
(表は疾患だけでなく治療内容等で更に細分化されたDPCコードで集計されています。)
肝臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 62 8.16 8.75 6.45% 75.63
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2なし 46 10.11 10.24 6.52% 75.72
060280xxxxxxxx アルコール性肝障害 43 10.44 12.91 9.30% 55.47
060300xx99x00x 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 21 8.48 10.88 9.52% 67.52
060300xx97100x 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) その他の手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 20 12.4 11.31 10.00% 67.3
【データの説明】
DPCデータを疾患別に分類すると、令和5年度の入院患者さんで多かったのは胆管結石・胆管炎82件、肝硬変81件、肝癌79件、などでした。(表のデータはこのうち治療内容等で更に細かく分類されたDPCコードで件数が表示されているため、一部のみの表示になっています。)
肝臓内科の診療内容は肝機能障害の原因診断・加療、抗肝炎ウイルス療法、肝癌治療、腹水や肝性脳症などの肝不全治療、食道静脈瘤治療(EVL、EIS)、胆石・胆嚢炎や膵炎治療、閉塞性黄疸の診断と治療(ERCP、PTCD)、経十二指腸乳頭的胆管結石採石術など多岐にわたっており、担当医はこれらの治療手技に精通して総合的な肝臓・胆道・膵臓疾患治療を提供しています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 40 5.6 7.19 20.00% 55.25
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2 - 2あり 定義副傷病なし 重症度等発症前Rankin Scale 0、1又は2 33 13.82 15.57 36.36% 69.18
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2 - 4あり 定義副傷病なし 重症度等発症前Rankin Scale 0、1又は2 28 14.61 15.7 35.71% 71.96
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2 - 4あり 定義副傷病1あり 重症度等発症前Rankin Scale 0、1又は2 12 15.33 17.39 41.67% 79.42
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 12 3.25 4.73 0.00% 71.25
【データの説明】
当科では脳卒中、てんかん、めまい、神経変性疾患(パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症など)など様々な神経疾患に対応しています。
その中でも脳卒中はSCU(脳卒中ケアユニット)があり、力を入れている分野です。当院では脳神経外科と協力し、外科的、内科的治療を行っています。SCUには脳神経内科医または脳神経外科医が当直を行っており、救急疾患に対応しています。血管内治療が必要な症例には2名の日本脳神経血管内治療学会専門医が対応しています。
DPC疾患別データでは、令和5年度は脳梗塞で入院された患者さんが175名、てんかん57名、の順に多くなっています。
表は疾患だけでなく治療内容等で更に細分化されたDPCコードで分類されています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 29 12.45 11.49 34.48% 72.52
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 20 10.8 7.57 5.00% 68.85
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 - 1あり 15 31.4 34.07 0.20% 71.07
110280xx97x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 14 12.21 13.9 0.07% 72.86
110280xx97x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2 - 1あり 12 19.25 24.61 0.08% 70.42
【データの説明】
令和5年度は234人の患者さんが当科に入院されました。ほとんどが腎不全の患者さんで、DPCコード別の集計も上位5コード全てが腎不全という結果でした。(腎不全のDPCコードは治療内容や病名で30種類程度に分類されており、この一部が表示されています。)
腎不全になると、生命維持のために腎代替療法(透析療法又は腎移植)が必要になります。腎移植を希望される方には、九州大学病院や福岡赤十字病院を紹介しています。透析療法は機械に血液を通して血液をきれいにする血液透析と、患者さんのお腹の中の膜(腹膜)を利用して血液をきれいにする腹膜透析に分かれており、当科でどちらでも治療が可能です。
糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 - 1あり 29 12.48 13.99 0.00% 64.79
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2なし 27 11.22 10.66 0.00% 63.19
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 13.15 - -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - 13.52 - -
100210xxxxxxxx 低血糖症 - - 6.8 - -
【データの説明】
当院では「初めて糖尿病を指摘された」、あるいは「もう一度糖尿病についてしっかり勉強したい」、といった患者さんを対象に教育入院を実施しています。令和5年度は184名程度の患者さんが入院しました(手足の循環不全有無やインスリンの有無などにより細かく分類されているDPCコードのうち、多かった順に5パターンのコードが表示されています。)
入院中は、①糖尿病教育、②合併症の評価、③血糖コントロール、を行っています。必要時は眼科、腎臓内科、脳神経内科、循環器内科、血管外科などにコンサルト(意見をきいたり診察してもらうこと)し対応しています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 141 4.81 4.26 0.71% 71.77
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 103 4.98 4.57 0.00% 68.9
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 - 1あり 手術・処置等2なし 重症度等他の病院・診療所の病棟からの転院以外 79 3.33 3.05 1.27% 69.75
050050xx9920x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 - 2あり 手術・処置等2なし 重症度等他の病院・診療所の病棟からの転院以外 54 4.09 3.25 3.70% 72.61
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 重症度等他の病院・診療所の病棟からの転院以外 48 15.1 17.38 18.75% 82.19
【データの説明】
DPCコード別にみますと、令和5年度は狭心症で入院された患者さんが289名と最も多く、次いで頻脈性不整脈、心不全117名、急性心筋梗塞60名、の順に多くなっています。(表は疾患に加え治療内容等で更に細分化されたDPCコード別に集計されており、上記の一部が表示されています。)
当院では、平成18年4月より循環器内科を開設し、心筋梗塞、狭心症、心不全、不整脈などの心疾患から、高血圧、高脂血症、メタボリック症候群などの生活習慣病まで、循環器病制圧を目指して幅広く診療しています。特に、虚血性心疾患に対する冠動脈カテーテル治療(PCI)に重点をおき、確かな技術と科学的根拠に基づいた、患者さんのためになる心のこもった医療を心がけています。
感染症内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 26 15.04 20.6 26.92% 83.08
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 26 12.08 13.52 0.42% 81
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし - - 12.88 - -
180030xxxxxx1x その他の感染症(真菌を除く。) 定義副傷病あり - - 20.04 - -
0400801499x001 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 重症度等A-DROP スコア1 - - 13.88 - -
【データの説明】
感染症内科では、自科の診療だけでなく他科から感染症に関する診療相談を受けたり、血液から細菌が検出された患者さんや抗菌薬を投与されている患者さんの回診を行ったりし、病院内の感染に関すること全般に関わっています。
令和5年度は、尿路感染、物を飲み込む力が弱くなり唾液や食べ物が気管に入ってしまうことで引き起こされる誤嚥性肺炎、体の中の細菌繁殖により組織や臓器に障害を来し生命を脅かす危険のある敗血症、の治療を行った患者さんが多くなっています。高齢で基礎疾患を持つ患者さんが比較的多く、平均的な入院期間(平均在院日数)は長くなる傾向にあります。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 8 5 6 26 43 15 - 8
大腸癌 15 11 25 11 55 15 - 8
乳癌 - - - - - 1 - 8
肝癌 6 10 17 1 1 80 - 8
肺癌 - - - 1 - - - 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【データの説明】
当院で昨年度1年間に診療した5大癌の患者さんは368例でした。そのうち最も多い癌は大腸癌であり、次に肝臓癌、そして胃癌でありました。当院では診療科の枠を越えた医療体制を構築するため、肝胆膵センター、消化器センターを設置し、複数の診療科が協力して、癌の専門的、先進的な治療を行っています。
臓癌に関しては、当院が日本消化器病学会と日本肝臓学会の認定施設、及び日本肝胆膵外科学会の高度技術修練施設に認定されている肝胆膵外科の専門施設であるため、特に患者数が多いと考えられます。また、再発患者数が初発の倍以上となっていますが、肝臓癌は再発を繰り返す癌であり、再発に対する治療が奏功することで生存率が向上しているためと考えられます。当院においては、肝臓癌の様々な病態に対し、内科、外科、放射線科が協力し合い、最適な治療を長期にわたって提供しています。
胃癌は、初期の癌に対して侵襲の少ない内視鏡手術を積極的におこなっており、特にstageⅠ早期胃癌の症例数が多いことに表れています。大腸癌は胃癌に比べると進行した癌の割合が多い状況ですが、このような癌に対しても、外科的治療において腹腔鏡手術を積極的に取り入れ、より負担の少ない治療を行っています。また、再発や切除不能の癌に対しては化学療法を積極的に行い、癌の集学的な治療を実践しています。
肺癌・乳癌については、現在専門医が在籍していませんので、主に再発や転移があった場合の治療を行っています。
今後は、さらに根治度の高い治療を目指し、新しい治療にも積極的に取り組み、 癌治療成績の向上に努めていきたいと考えています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 5 7 46.2
中等症 37 14.03 75.68
重症 5 12 77.6
超重症 3 12.67 83.33
不明
【データの説明】
市中肺炎とは、一般的には社会生活を営む健常人が発症する肺炎のことをさし、入院後に発症した院内肺炎などと区別して呼ばれます。当院には呼吸器内科がないため、重症な市中肺炎で入院する患者さんは多くありません。物を飲み込む力が弱くなることで唾液や食べ物が気管に入ってしまうことで引き起こされる誤嚥性肺炎もここには含まれておらず、2週間程度の治療で退院となっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 186 19.53 74.26 0.49%
その他 10 10.8 68 0.10%
【データの説明】
当院にはSCU(脳卒中ケアユニット)があります。脳神経内科医または脳神経外科医が当直を行っており、24時間365日脳卒中患者を受け入れ、急性期脳卒中診療担当医師が、患者搬入後可及的速やかに血栓溶解療法(rt-PA)や血栓回収療法等の診療を開始できる施設となっています。脳梗塞の病型診断を的確に行い、再発予防、早期リハビリを行っています。症状が安定された方でリハビリが必要な方は回復期リハビリテーション病院と連携しており、転院してリハビリを継続しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6147 血管移植術、バイパス移植術 その他の動脈 52 0.31 11.67 0.12% 71.04
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 46 1.24 5.39 0.11% 74.72
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 18 0.28 3.78 0.11% 65.56
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 17 1.06 1.94 0.12% 68.47
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 15 1.47 4.07 0.00% 74.67
【データの説明】
令和5年度は、透析用シャント(血液透析を受ける患者さんの腕の動脈と静脈とを直接つなぎ、大量の血液が通るようにした血管)の作成、修復・再開通手術を883例実施しました。(血管移植術バイパス移植術、経皮的シャント拡張術・血栓除去術、内シャント又は外シャント設置術と表示されますが、外来手術や日帰り入院手術も多いため、数値には含まれていません。)
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 115 2.27 3.13 0.02% 71.62
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 95 1.54 2.79 0.00% 70.51
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの 27 0.93 3.3 0.04% 73
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの 22 0 11.23 0.05% 63.73
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 16 0.56 8.25 0.13% 68.69
【データの説明】
DPCデータでは、狭心症や心筋梗塞などに対して行った経皮的インターベーション治療(以降PCIと記述。)が最も多い結果となりました。令和5年度はこのPCIを全部で236件実施しました(表は入院中に複数回治療を受けた場合も1人として計上されています)。重篤な疾患である急性心筋梗塞の場合を除くと、このPCIを受けた方の術前日数は通常1日、術後日数は1~2日です(表は入院中複数回同じ手術を受けた方が混在しているため実際の日数とは異なっています)。
肝臓外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 81 2.7 4.93 0.07% 65.2
K695-23 腹腔鏡下肝切除術 亜区域切除 19 1.26 9.47 0.00% 72.63
K695-21イ 腹腔鏡下肝切除術(部分切除)(単回切除) - - - - -
K7032 膵頭部腫瘍切除術 - - - - -
K695-24 腹腔鏡下肝切除術 1区域切除(外側区域切除を除く。) - - - - -
【データの説明】
令和5年度のDPCデータでは、胆石症や胆嚢炎に対し胆嚢摘出術を60例、肝癌に対する肝切除術を39例、膵癌に対し腫瘍切除術を11例行いました。(表は複数の手術を行っても主な手術1つのみしか集計されないなどの定義によりこの一部が表示されています。)
全身麻酔下での手術を受ける場合、通常は手術前日に入院します。胆嚢摘出術を受けた方は手術3日後に、肝切除術を受けた方は術後約1~2週間で退院します。(手術前後に他科で別の病気の治療を受けた方が混在していますので、表の平均術前日数や平均術後日数は長くなっています。)
消化管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 25 1.36 2.4 0.04% 73.72
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 18 5.11 9.17 0.17% 70.06
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの - - - - -
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの - - - - -
K740-21 腹腔鏡下直腸切除・切断術(切除術) - - - - -
【データの説明】
消化管の癌に対する根治手術(癌を全て取り除き再発や転移が起こらないように癌が広がっている可能性がある臓器や組織なども含めて切除する手術)は、令和5年度のDPCデータでは、大腸癌が45例、胃癌が35例ありました。(表は腹腔鏡使用の有無等で細分化された件数が表示されています。)
手術を受ける患者さんの高齢者の割合が高く、複数の他の病気を治療中の患者さんが多いことから、循環器内科や糖尿病内科、腎臓内科、感染症内科の協力を得ながら治療方針を決定しています。手術前後にこれらの病気を治療した後に手術を行う例が増えていることから、平均術前日数、平均術後日数が長くなりがちです。
肝臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) 選択的動脈化学塞栓術 44 1.07 6.95 0.07% 75.45
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 40 0.65 9.38 0.13% 76.45
K533-2 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術 29 0.45 9 0.03% 60.45
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 15 0.67 8.67 0.27% 77.87
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 15 0.8 5.47 0.07% 76.47
【データの説明】
令和5年度は、血管塞栓術が最も多い結果となりました。
血管塞栓術は肝臓癌に対して行うカテーテルを用いた手術で、通常足の付け根の動脈(大腿動脈)から細い管(カテーテル)をいれて肝臓まで進め,造影剤を注入しながらX線撮影を行い,肝臓の血流の状態を評価したり,血管の性状から病変を診断した後に治療のための薬を流したり,腫瘍にいく血管を詰めたりする治療を行います。
消化管内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 113 0.58 1.89 0.03% 70.59
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 53 1 4.72 0.00% 71.13
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 41 1.29 5.83 0.05% 74.22
K654 内視鏡的消化管止血術 26 1.23 11 0.35% 76.38
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 24 2.33 5.92 0.83% 76.75
【データの説明】
令和5年度最も患者数が多かったのは大腸ポリープに対して内視鏡的切除術を行った数でした。近年、食事・生活環境の変化に伴い我が国での大腸癌の罹患率は増加傾向にあります。大腸癌の大部分は、大腸ポリープ(腺腫)から発生することがわかっており、径6mmを越えると(5mm以下と比較して)癌の発生頻度が高くなるため、内視鏡的摘除が推奨されています。また、良性のポリープであっても数cm大まで増大すると形態によっては内視鏡的切除が困難となり、外科的手術が選択される場合もあります。ポリープはある程度の大きさになるまでは無症状の場合が多く、早期発見・早期治療のための定期的な内視鏡検査が望まれます。一般的な治療法として、ポリープの直下に薬剤を注射しポリープを大腸壁から十分離して切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)と呼ばれる安全な方法が行われています。切除されたポリープは病理組織検査に提出され、ポリープの性状及び癌細胞発生の有無が検査されます。ポリープの内視鏡的切除が行われ、ポリープ内に癌細胞が発見された場合、癌細胞の性状・浸潤様式によっては外科的追加切除が必要な場合があります。また、近年では内視鏡画像の精度が向上したことにより、(組織採取を行わずに)特殊光または拡大画像を用いた観察のみでポリープ内の癌細胞の有無がある程度予想できる場合があります。早期の大腸癌の場合はその形態・種類によって内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が選択されることがあります。ただし、ESDで切除された場合においても癌細胞の浸潤様式・深達度によっては外科的追加切除が必要な場合があります。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓形成 95 2.78 17.73 29.47% 71.74
K0461 骨折観血的手術 70 2.04 16.99 85.71% 79.1
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 後方椎体固定 69 2.78 19.74 31.88% 68.42
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 後方又は後側方固定 37 3.41 18.46 54.05% 72.95
K1342 椎間板摘出術 後方摘出術 32 2.84 12.03 9.38% 52.84
【データの説明】
現代の超高齢社会において、介護が必要となる原因として脳卒中や心臓病、さらには認知症と並び、ロコモティブシンドローム(ロコモ;運動器症候群)が注目されています。その代表的な疾患として、骨粗鬆症(中でも問題となるのが大腿骨頸部骨折;上表上から4番目)、腰部脊柱管狭窄症(上表上から2番目、3番目、5番目)、下肢の変形性関節症(上表上から1番目)が挙げられます。当科ではこれらの疾患に対して安全かつ積極的に手術的治療を行っています。平成元年の開院当初より脊椎関連の手術症例数は多く、近年は関節外科専門医の着任により人工関節置換術の症例数も増加傾向にあります。大腿骨頸部骨折は急性期の手術的治療の後に、リハビリテーション専門病院への転院・リハビリテーション継続が必要となりますが、その他の2者に関しては当院での治療完結・自宅復帰が十分可能な医療環境を整えています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 26 0.15 9.81 0.19% 77.58
K1781 脳血管内手術 1箇所 17 1 25.24 0.29% 63.76
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 脳内のもの 14 0.36 30.5 1.00% 64.79
K145 穿頭脳室ドレナージ術 - - - - -
K164-4 定位的脳内血腫除去術 - - - - -
【データの説明】
令和5年度は、慢性硬膜下血腫に対する穿孔血腫洗浄術が最も多い結果となりました。
慢性硬膜下血腫とは、軽微な頭部外傷などが原因となり、慢性的に硬膜下に血腫が貯留してくる疾患である。比較的に罹患率が高く、手術適応となることが多いのが特徴です。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 2 0.003053
異なる 9 0.003541
180010 敗血症 同一 27 0.007461
異なる 12 0.004695
180035 その他の真菌感染症 同一 1 0.002801
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 7 0.003207
異なる 3 0.004231
【データの説明】
この項では、感染に関する病気を入院後に発症したかどうかの基準となる情報が示されています。
令和5年度は、敗血症(体の中の細菌繁殖により組織や臓器に障害を来し生命を脅かす危険のある病気)が最も多くなっています。「入院契機傷病との同一性の有無」が「同一」とありますので、入院中の患者さんが敗血症を発症し治療したものではなく、入院前に敗血症であった患者さんを多く治療したという意味になります。
同様の見方で「入院契機傷病との同一性の有無」が「同一」の「手術・術後の合併症」による症例数が次に多くなっています。具体的には、腎不全により血液透析を行っている患者さんの「シャント感染」、「シャント血栓」などに対し手術が必要となったため当院に入院されるケースが多く、血管外科で人工血管を用いた手術を行うなどして治療を行っています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症発症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症発症の
予防対策の実施率
656 525 80.03%
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
928 862 92.89%
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
322 289 89.75%
更新履歴
2024.09.30
情報の公開